雷の季節の終わりに 小説感想 良作小説
今晩は
今日は雷の季節の終わりにって小説の感想を書きたいと思います
初めに
この小説の作者は恒川光太郎さんです。ホラー小説の有名の作家さんです。
代表作に夜市があります。
作風は異世界との遭遇ですね。現実の世界に住む人が、別の世界に迷い込む感じのホラーが多いです。
文章は優しくて読みやすいですね。あまり読書しない人でもスラスラ読めます。
グロいシーンは少ないですが、暴力的シーンは多いです。
魅力1世界観
恒川作品らしく今回も特殊な世界が関わります。
穏と呼ばれる世界から時空レベルで隔絶された土地を舞台に、日本の田舎みたいな因習と人間関係に翻弄されていきます。
穏には冬と春の間に神の季節である雷季というものがあります。
雷季には鬼が現れて人を攫っていきます。
ひぐらしのなく頃にやtrickみたいな和風のホラーが好きな人にはぴったりだと思います。
魅力2風わいわいが可愛い
風わいわいというのはこの作品で登場する妖怪みたいなやつです。妖精や精霊の方が近いかも。
主人公に序盤から取り憑いて色々話しかけてきます。
最後まで健気に主人公を支えてくれるんですよね。
人格も女性っぽいし。
非常に有能なんだけどどこかポンコツなんですよね。そこも可愛いです。
(最初にあんなミスしなかったらこの作品の大部分解決したかも)
魅力3主人公の冒険
ホラー作品なんですけど、一番面白いのは冒険部分ですね。
主人公は殺人の罪を着せられて穏から現世に亡命しなければ殺されてしまう事態になるんですよね。
穏から現世は距離がめっちゃあるくせに、道中怪物がウロウロしています。
しかも後ろからは穏の追っ手が迫ってきます。
主人公は風わいわいの助力を受けながら生き延びるために戦闘などのサバイバルをしていきます。
この作品の山場ですね。生き延びるために脱出するってストーリーはシンプルで引き込まれます。
まとめ
他にも魅力がある小説なんですよね。幼地味の子がとにかく可愛い、メインヒロインは風わいわいだけど。
最後の方にいきなり出てきたキャラがラスボスだったり、早田という謎の大学生が最後まで謎だったことは微妙でしたね
ラスボスが自分の故郷に縁切られて追い詰められていくのはやけにリアルすぎますね笑
早田に関してはやけに描写が多いのに謎のままだったので別の作品に登場させる予定なのかもしれないです。(恒川作品はたまに他の作品の設定が出てくる)
恒川作品に珍しい長編で、読み終えた時に喪失感を感じました。
終わった時に喪失感がある作品はもれなく名作だと思います。